2011年4月23日土曜日

シュベービッシュ・ハルで出会った人たち(1)

 3月27日から4月22日までシュベービッシュ・ハルに滞在しました。この間に,月曜から金曜の午前はゲーテインスティチュートのドイツ語講座を受講し,午後は自分の研究に充てていました。
 実際のところ,ドイツ語の宿題やゲーテインスティチュートのインベント(エクスカーション)が多くて自分自身の仕事はあまり進んだといえません。
 さて,シュベービッシュ・ハルという田舎町に4週間ほど滞在するなかで,いろいろな出会いがありました。ドイツ語学校の同級生には,トルコ人4名,アメリカ人3名,中国人1名,シンガポールから1名,韓国人1名がいました。とくにトルコ人の男性3名とは2回のパーティーを通じて懇親を深めることができました。
 トルコ人への印象は,たいへん失礼な話ですが,イスラム教,ドイツでの外国人労働者の最大多数を占めることという程度しか知らなかったので,今回の旅で彼らの文化,人柄,考え方と身近に接することで『私の中の偏見」がかなり薄らいだと思います。
 クラスメイトのなかでは,私が最年長でした。パーティーの際には,「最年長者はここに座ってゆっくりしてほしい」と大事にされ,「トルコの文化についてどう思うか」「何を知っているか」と質問され,何も知らないことを白状して,イスラム教の文化を教えてもらいました。
 一言でいえば,われわれ日本人とその倫理観や社会性は変わらないことがわかります。家族を大事にして,まじめに誠実に働く。服装や髪形にも厳しい制限があり,役人やしかるべき立場の人は,自らの風貌にも責任をもってきっちりしなけばなりません。


 トルコの食事で気に入ったのは,お米を巻いて炒めたもの,小麦粉を練ってシロップにつけたデザート,小麦粉の生地に細かくした牛肉とスパイスを乗せて焼いたピザ,いずれも美味しくいただきました。
 シンガポールから来た実業家(リーさん)は私の1つ年下ですが,実にまじめで人の世話をよくしてくれる面倒見の良い人です。ドイツ語の発音はめちゃくちゃで,おかげで辞書をずいぶんと使いました。コミュニケーションの大半は辞書を使わないと通じない,といった具合です。
 アメリカ人の夫婦がいました。ヘイグ夫妻はシドニーに暮らし,夫婦で旅行することが楽しみだそうですが,ドイツ語も2週間だけ習いに来ていました。彼はシュベービッシュ・ハルの風景をたくさんスケッチして,廊下に展示するほどの腕前です。この夫婦ともよく話をしましたが,明るく親しみやすく,ぜひいつか再開したいと思います。
 このようにゲーテインスティチュートのなかでいろいろな外国人と親しくなれたことは意義深い経験であったと思います。

 

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