5月2日(月)
塩鉱山の見学が長引いて,バーテック君との約束に40分も遅れてしまいました。
バーテック君とマテウス君は40分もホテルのロビーで待ってくれていました。まことに申し訳なかったのですが,地下250メートルから連絡するすべがなかったのです。
昨日の御礼にホテルのレストランを予約して(英語しか通じない,いや英語さえも満足には通じないので予約も大変でした),私たちは夕食会を行いました。議論のテーマはポーランの経済発展です。さぁて,食事が大方終わったころに,バーテック君のご両親が来られたのです。
「息子が良い日本人と知り合えたというのでお目にかかりにきました」と言われ,お母さんは「ご挨拶だけです」と言われる。記念撮影をしたら,親父さんはどっかりといすに座って「カプチーノ」を頼んでいます。お母さんがたしなめても「せっかくだからコーヒーくらい良いではないか」と,さっそく,私に「日本の経済政策について質問したい」と切り出されたのです。
えらいことになりました。バーテック君のお父さんはポーランドの実業家,お母さんも絨毯などを販売する会社の社長です。経済事情にはもっとも詳しい二人の実業家に,「日本政府の経済政策はおかしい」「グローバリゼーションの時代における政府の役割とは何か」と質問され,さらにお父さんの自論を延々と聞きました。要するに,ポーランドは今からが成長期になるので,中国人を押しのけて,日本政府はポーランドに投資する民間企業をバックアップして,日本の技術をもっとポーランドに広げるべきである。それが豊かさを実現するために,双方にとって望ましい政策である,それにもかかわらず,日本政府はドイツや中国,韓国に後れを取っており,けしからん!」ということです。
「経済は利益最大化,効率性の追求」そのためのの政府による後押し,バックアップが「経済政策の目的である」との議論は20分以上も続きました。
私は,経済成長が必ずしも国民生活の幸福を高めるものではないといいました。
たとえばドイツに多数のポーランド人が出稼ぎに行っている。若いドイツ人も地方から都市部へ出稼ぎにいって,海外の安い労働力と競って働いている。このグローバル化,EU統合によって,外国人労働者が大量に流入しているドイツでは深刻な若者の雇用問題が発生しており,同時に多くの人が出稼ぎ労働者となり,家族のもとを離ればらばらに暮らしているではないか。それはカトリックの考え方や生き方と矛盾するのではないか,と言いました。
近代化・産業化による文化生活へのj影響,また,環境問題や資源問題との兼ね合いを含めて,ポーランド経済には焦らず,しっかりとした展望を持った発展を望みたい。これが私のj伝えた結論です。
しかし,この話をするのに,英語力はとても及ばず,時々ドイツ語も混ぜて,知ってる単語,思いつく単語をかったぱしから並べて大声で話しました。この迫力でなんとか,あの親父さんと対等になり,「次はぜひ家族でポーラランドへ,ボクニアへ来てほしい,次回は我が家へも案内し,食事をしましょう」と仲良くなったしだいです。
右端はバーテック君の彼女です。ポーランド人は男性も女性もみんな肌がきれいです。びっくりするほどすべすべの肌,ドイツ人ほど太っている人はなく,スタイルも抜群,美人ぞろいですね。ホテルで食事ができる人たちの階層は,トップクラスですから,服装も上品で身ぎれい。ほかのホテルのお客さんともずいぶんと会いましたが,お金持ちの大家族がたくさん泊まっていました。
右からバーテック君のお母さん,私の息子,バーテック君のお父さん,バーテック君,その彼女,マテウス君,金さん,私です。
写真を撮られていたとは知らずに親父さんと議論を交わし,お母さんは「この人たちは一晩中でも議論するでしょう」とあきれられていた,とのことです。
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