2011年5月8日日曜日

感動のライプチヒ

 1989年,ライプチヒのニコライ教会で始まった自由と民主化をもとめるデモ行進,これがベルリンの壁を崩壊させ,のちの東欧革命へと広がるきっかけとなったことは多くの人に知られています。
 そのニコライ教会へ参りました。

 5月3日(火)19時,ライプチヒ中央駅に到着

 中央駅はベルリンよりも早くにリニューアルされ,きれいなショッピングモールもあります。
 これがニコライ教会です。ここから自由と民主化をもとめる運動が始まったのです。ニコライ教会は東ドイツの時代から,自由と民主化をもとめる運動を積み重ねてきていたことを忘れてはなりません。ここでたくさんの資料を入手しました。
 若きゲーテ像です。
 M.ルター,ゲーテ,森鴎外などたくさんの文化人が通った,アウアー・バッハス・ケラー(酒場)です。
 古いドームと建設用のクレーンが今のライプチヒの様子を象徴していました。

 5月4日にニコライ教会の中を見学,ここにある書店で資料を購入しました。



 「現代史フォーラム」は,1945年から1989年までの東ドイツでの生活,政治,文化を整理した資料を展示しています。東欧革命を体験した人のインタビュービデオも見ることができます。
 
 私はライプチヒ大学の近くにある古本屋と新しい書店の虜になりました。書店では多くの学生や教員がテーブルの上に本を並べて,「ノートを取りながら勉強している」のです。印刷業が最初に栄えた町,本の町,という印象を受けました。書籍の品ぞろえは見事です。およそ3時間余り,私は書店でさまざまな文献に目を通すことができました。次回,留学するのであれば,ライプチヒ大学です。

 フランクフルト,ベルリン,ケルン,ハイデルベルクといろいろな町を訪問しました。私はライプチヒがもっとも素敵な町だと思います。町には何か不思議な凛とした空気が漂っています。たしかにほかの都市と同様に外国人も多数います。ロシア人,トルコ人など,いろいろです。しかし,幾筋の通りを歩きましたが,フランクフルトのような,また,ケルンやベルリンのような問題を感じることはありません。フランクフルトの場合,3人に1人が外国人になっています。ケルンもそうです。治安は悪く,すりや強盗に合いかねない地域が少なくありません。でもライプチヒの人びとの表情は何か違います。ライプチヒの人びとの表情からは盗み見るような猜疑心は感じられませんでした。物乞いをする人も確かにいますが,数が少ないのでさほど目立ちません。
 やはり,ニコライ教会が町の中心であり,コミュニティの核となっています。明らかにニコライ教会の発するムードが町全体に染み込んでいるように思えるのです。でも,これから10年後がどうなっているかが心配です。町のリニューアル工事が一巡すれば,また景気が悪くなり,雇用が減るでしょう。
 ニコライ教会ではこのことも視野に入れた町づくり計画に民間企業と行政と共に取り組んでいます。新しいキーワードは「エネルギーと環境」です。太陽光発電の普及,風力発電の利用可能性の検討を新たな町づくりのテーマとして,雇用の創出のために検討しているようです。 

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