2012年12月25日火曜日

2012年度研究発表会のご案内

2013年2月11日(祝・月)
2012年度研究発表会と懇親会を行います。
 9時から17時 研究発表会 アカデミア館502号教室
 18時から20時 懇親会 アカデミア館3階レストラン「さくら」
 懇親会費:4000円

 どなたでも参加して頂けます。
 なお,参加申込は,1月末をめどに,メールにてお願いいたします。


今年度の研究発表テーマ

2月11日午前9時から12時 3回生論文


1) 「日本人の特徴」:
 柳田國男,ベネディクト『菊と刀』,新渡戸稲造『武士道』,中根千恵『タテ社会の人間関係』など,日本の近代化初期に書かれた古典を題材に,「日本人」「日本社会」を描きます。

2)「日本林業再興のためにはどのような施策が有効か」:
 戦後日本の林業をめぐるく政策,近年の林業の転回について,ドイツの林業施策との比較中で明らかにします。

3)「急成長を遂げるイスラム経済」:
 「アラブの春」を契機に注目されてきたイスラム経済について,イスラムの文化,社会観,イスラム金融の整理紹介を行い,今後,西欧近代モデルによって発展してきた国々がどのように対応すべきかを議論します。

4)「各国のワークフェアから学ぶ就労政策」
 先進国で増加する生活保護受給者と失業問題,これに対応する「ワークフェア」政策を,比較検討します。ワークフェアと並んで議論されるベーシックインカムの構想についても整理し,主として,ドイツのハルツ改革の成果と問題を明らかにしています。

5)「子育てにおける選択の自由を保障する政策」:
 子育ての「社会化」=育児支援政策について,先進各国の特徴を整理しながら,家庭での子育てと,女性の就労をいかにして両立させるか,「子育て支援」のあるべき方向性を明らかにします。とくに子どもの健全育成には,家庭の役割が見直されるべきではないかとの問題を「愛着障害」の視点から検討します。

6)「日本の介護保険制度」:
 日本の介護保障について,歴史的な経緯を整理しながら,介護保険制度について取り上げます。コープこうべの特別養護老人ホームを視察し,そこで直感的にとらえた問題をから,今後の介護保険の課題を明らかにします。

7)「経済体制の変遷とこれからの課題」
 野尻武敏名誉教授の『第3の道』をベースに,自由主義,社会主義の経済思想,三元秩序構想を整理検討します。

8)「社会保障の世代間格差」
 年金,医療,介護の社会保険制度による給付は,高齢者に大きく偏っています。これにたいして,育児支援,若者の支援は手薄であり,ここに世代間のギャップが開いています。先進諸国のデータとの比較の中で,社会保障の世代間格差の実態を整理し,政策的課題を明らかにします。

9)「日本の医療保障制度の特徴と課題」
 医療という「財サービス」の特徴を整理しながら,日本の医療保障費が増大する原因を制度的に明らかにします。イギリスのNHS(ナショナルヘルスサービス)の制度を参考にしながら,日本での医師不足問題の原因を検討しています。

13時から17時 4回生卒業論文

1)「カンボジアの社会的・経済的な再出発と日本」
 昨年,カンボジアへのスタディツアーで,ジャイカ,経済特区をはじめカンボジア経済の実態を体験的に理解し,日本企業の進出の意義を調査しました。ポルポト政権下での悲劇から,カンボジアの経済社会の現状と課題を明らかにします。

2)"Civil Society by NGO's in Philippine"
 2012年2月から8月にかけてフィリピンのNGO(フィルドラ)で研修を受けながら,農村の開発と,都市の貧困問題,そして,NGOの役割と課題の3つのテーマに取り組んで調査研究をおこなった成果を発表します。論文は英文で書かれていますが,当日は「日本語」での発表となります。

3)「マルクス経済学の現代的意義」:
 先進諸国全体に広がる「格差問題」「労働の不安定化」「低賃金(ワーキングプア)」の問題を考える上で,ヨーロッパではマルクス経済学の有効性に再び注目されています。マルクスの『資本論』,エンゲルスの『イギリスの労働者階級の現状』などを読み深めつつ,現代の労働問題をマルクスの理論から説明する試みです。

4)「Jリーグの理念は実現に向かうのか」:
 Jリーグは地域コミュニティへの貢献を土台に展開するという理念を掲げてきました。スポーツ産業と地域コミュニティの関わりの調査を通じて,現在のJリーグの「低迷問題」に切り込みます。

5)「これからの経済社会体制の方位―コミュニティの可能性―」:
 野尻武敏『第3の道』で示される3元秩序構想,そこからさらにコミュニティの可能性を模索します。昨今のコミュニティをめぐる文献調査を通じて,これからの地域社会の原理的な課題を探ります。

6)「現在の『ネット文化』,『SNS』の文化的存在の有益性の追求―蔵内社会学からの有無について言及する―」:
 蔵内数太の現象学的社会学から「社会本質論」をとらえ,蔵内の「文化社会学」を整理したうえで,現在のネットワーク技術,SNSが経済社会の展開にどのような意義をもっているか,また,その危険性を明らかにします。

7)「高齢者就業をめぐる経済社会の課題」:
 超高齢社会では,年金をはじめ社会保障の負担を現役世代だけでは支え切れない。人口減少社会において,労働力を維持するため,そして,長寿社会で「生涯現役」の人生を生き抜くためには何が必要であるのか。この問題に,定年制と年金制度の改革を通じた解決策を模索しています。


2012年12月22日土曜日

「学生流むらづくりプロジェクト『木の家』」年内最後の作業

 2012年12月22日(土)から25日にかけて,「木の家」が多可町観音寺集落でログハウスの建設を行います。さきほど現場を見に行きました。


 八千代では晴れ間も見えていましたが,観音寺集落の山の上では雨が降っていました。あわてて自宅へカッパを取りに戻って,学生諸君に提供。


 内部はここまで出来ています。この合宿の間に,屋根を張ること,窓を取り付ける。これで外装は完成します。






 観音寺の区長さんからのご依頼で,なめこ茸を収穫したそうです。 





2012年11月4日日曜日

多可町ふるさと産業展

 2012年11月4日 多可町八千代区ガルテン八千代で,「ふるさと産業展」が開催されました。
 好天に恵まれ,多可町内外から多くの人が集まり,たいへん盛況でした。
 毎年,この祭に参加していますが,集落ごとの「特産物」が増え続けています。シカ肉を使った,多可ボウ,シカのミンチコロッケ(多可町商工会青年部),鹿肉カレーをはじめ,加美区の米粉,菜種油「菜っちゃん」,ラベンダー園のオイルなど,実に多くのアイデアが商品化されてきたことは,とても素晴らしいことだと思います。


  多可町商工会青年部の「たかぼう」シカ肉春巻きはなかなかの絶品です。
 青年部は,いい顔をしていますね!


戸田町長のあいさつ  

有機栽培,100%ピュアな菜種油「菜ちゃん」800円。
ご注文は,私も受け付けています。残り100本まで。 



観音寺集落の皆さんは一生懸命,「米粉」のピザ,お好み焼きを販売されていました。

豊部の宮崎ファームさんは,
きゅうりの漬物「ごはんおかわり」
 ゴーヤパワーを作られています。2500円。





 ラベンダーパークの商品







 多可町いずみ会主催:「朝ごはんコンテスト」表彰式


試飲したかった地元「山田錦」を使った日本酒


2012年11月1日木曜日

学生流むらづくりプロジェクト「木の家」

神戸大学「学生流むらづくりプロジェクト『木の家』の広報第2号ができました。

 2012年8月:多可町夏祭り
 9月:菜種祭
 10月:上棟式,煤竹(すすだけ)の事業など

 ボランティア活動の実践をぜひご覧ください。
 

2012年9月25日火曜日

2012年多可町菜種祭

2012年9月23日(日)多可町加美区,道の駅にて「菜種とれとれフェスタ」に参画しました。
学生流むらづくりプロジェクト「木の家」から14名,藤岡ゼミから4名,そして,神戸大学のジャグリング・サークル@ジャグ六からも応援に参加。
無農薬・有機栽培の菜種油です

神戸大学 ジャグ六のパフォーマンスも,春からずいぶんと上達!



 鹿は,西脇市の猟師さんから提供していただきました。ありがとうございます!
 木の家の学生は,4人で3時間かけて,鹿を解体し,肉の塊,スジ肉,骨にきれいに分けて,調理しました。なかなかできるものではありません。これまでの多可町観音寺での経験が,粘り強さ,集中力,ナイフを使う技能を高めてくれています。見事なものです。


 ロースト・ベニソン,ロースト・ボーン・スープ,スジ肉の時雨煮の3品を作り,菜種祭で「無料試食」。100名を超える方々に「田舎のフランス料理」としてご賞味いただきました。ちなみにこれらのレシピは,追手門学院大学名誉教授,藤原一郎先生に教わったものをベースにしています。

 西脇市の猟師さんが「首を討っているから,臭みの無い,最高の肉になる」と言われた通りです。
 鹿は脂肪が少なく,甘みがあり,よく煮込むと柔らかく,ほぐれます。
 その特性を生かして,ロースト,時雨煮ができました。骨は,セロリ,玉ねぎ,にんじん,ブーケガルニと一緒に4時間以上煮込み,岩塩だけで味を調えています。

 こうした調理方法を使って,獣害駆除とまちおこしができればと願っています。
 木の家の学生諸君,ゼミ生諸君の努力は実に頼もしく,無料で試食していただいた方からは,ログハウス建設のために寄付を頂きました,総額7千円を超えています。
「田舎のフランス料理」
 
 

多可町のコシヒカリはとても美味いのです
 
観音寺集落の婦人会と学生がお好み焼きと菜種油を使ったかき揚げを作りました。


 

神戸市内からお越しの人たち

 


2012年稲刈り実習

 2012年9月21日午後から22日に実習田での「稲刈り」を行いました。21日(金)の夕方に大雨が降り,田んぼは泥田になってしまったため,ぬかるみのなかでの稲刈りとなりました。
 八千代の柳山寺から木畑惣一さん(87歳)が今年も指導に来てくださり,ひとり1人の学生に懇切丁寧な指導をしていただきました。

3回生が木畑さん(柳山寺)から田んぼまで「なる」を運びました,

木畑惣一さんには,5年以上,毎年,稲刈り,脱穀のご指導を頂いています。


八千代の青位さん(有機養鶏場)で雨宿りをさせていただきました。

渡辺元校長先生も来てくださり,雨のなか女子学生を車で送ってくださりました。

稲刈り

泥田の稲刈りは重労働でしたが,道行く人が「ええ経験や!」と励ましてくれました。

 


 

関電 奥多々良木発電所

 2012年9月21日(金),兵庫県朝来市にある,関電,奥多々良木ダムを見学しました。
 日本最大級の「揚水式」発電施設です。
最大出力:193万2千キロワット,実際の発電では,最大130万キロワットを8時間/日
 原発1基分の供給力があり,毎秒100tの水で6台の発電機を動かしますから,毎秒600tが上のダムから下のダムへ流れ込みます。
 上のダム(黒川ダム)の貯水量は2,136万立方メートルですから,8時間でダムは空になるわけです。夜間,火力,原子力の電力を引き入れて,下から上へ水をくみ上げることになりますが,これには11時間必要です。
 エネルギー効率としては,当然のことながらマイナスになります。
 だから,「揚水式発電」は,火力,原子力などの基盤施設のバックアップとしてしか用をなさないとのこと。
 ちなみに,2011年にこの発電所が90%(120から130万キロワット)のほぼフル稼働したのは,3日~4日にすぎません。
 「原子力発電」の代替施設とはなりえないことがはっきりわかりました。

 私たちは,奥多々良木ダム発電所の田口所長さんに説明をしていただき,約2時間半にわたって設備の見学を行いました。
 火力発電に依存すると,炭酸ガス(温暖化)の問題が加速します。
 風力発電には,風力の制約と,設備の維持管理に莫大な費用が発生します。
 太陽光発電では,大規模な土地と施設が必要になります。
 原子力は,言うまでもなく,「危険」です。

 電力会社の技術者は,すでに稼働している施設設備を維持,監視するだけで,「本物の技術者」を養成することが難しくなっている,「コンピュータの画面操作」だけしか経験しない。
 将来の日本の技術者の養成がますます難しくなっているとのことでした。

 さまざまな課題が山積すること,電気エネルギーに過度に依存する産業社会の持続可能性の見通しは決して明るいものではないのです。


関電 奥多々良木ダム発電所PR館に到着

田口所長さんから講義を受けました。

上ダム(黒川ダム)からの景色
 
黒川ダム


地下にある発電施設へ


3相交流式発電機の説明を受けました。



 
「みのり館」にて昼食