2012年6月25日月曜日

学生流むらづくりプロジェクト「木の家」の活動

学生流むらづくりプロジェクト「木の家」


 2012年6月22日から23日にかけて,神戸大学,学生流むらづくりプロジェクト「木の家」のメンバー18名が,兵庫県多可郡多可町観音寺集落でログハウス建設作業を実施しました。この日は,私も観音寺の皆さんと神戸大学経済学研究科の支援を得て,新たなむらづくりへの取り組みを相談するために観音寺へ伺いました。
 22日14時ごろから「木の家」のメンバーが,ログハウスの部材を磨き上げ,ペンキ塗装の作業を始めました。

北播磨森林組合,ログハウスの西村さん,牧さん,観音寺の皆さんのご助力を得てすでにログハウスの部材加工は完了しています。

塗装の前に部材の表面をピーラーや金たわし,グラインダーで磨き上げます。



 2種類の木材塗料を「内面」「外面」に分けて塗ります。
塗装ができた部材を乾燥させています。

調理班が用意したちらし寿司,吸い物,サラダ,豚シャブが夕食メニューです。
観音寺集落の役員の皆さんも千円の会費をもって参加してくださりました。

ちらし寿司はなかなかの味です。ログハウス建設を通じて,料理も上達しています。


 「木の家」の計画では,9月に棟上げ,完成式典を行います。
この活動に参加を希望の方はぜひご連絡ください。これからさらに楽しい,本物の体験ができます。神戸大学生たちと一緒に新しい時代を切り開く貴重なチャンスです。
 
 「木の家」の活動と中山間地域のむらづくり支援への寄付金をお願いします。学生たちは独自に兵庫県から補助金(25万円)を頂きましたが,建設資金,神戸市内からの往復交通費で厳しい経済状況にあります。資金面でのサポートをお願いできます方にはぜひご連絡をお願い申し上げます。
 藤岡 秀英(fujioka@econ.kobe-u.ac.jp )へご連絡を頂ければ感謝いたします。

むらづくり調査研究と政策提言に向けて

この日は,神戸大学経済学研究科から「多可町とのむらづくり連携事業」のための予算を提供してくれたこと,今後,多可町の小規模集落に呼びかけて,調査研究とともに政策提言へと歩を進めて行くことを観音寺の皆さん,木の家の学生諸君に伝えました。

 具体には,多可町の小規模集落の役員さんに参集いただき,現状と課題を整理するところから始めます。
 
 それぞれの集落の現状は,同じような地理的条件,高齢化と人口減少の問題で共有する課題がありますが,具体的にはまったく異なった状況にあります。全国の限界集落も同じく,同じ問題を抱えつつ,現状は異なるのです。
 第1には,こうした認識を共有するところから始めなければなりません。
 第2に,それぞれの集落が積み重ねてきた「むらづくり」の成果を振り返る必要があります。都市住民との交流事業は,3つの集落ともに大変な努力をしてきました。さて,それがどのような意味をもっているのか,どのような成果として誇ることができるのか,そこから次にどのような展開が可能なのか,このままで良いのか,という反省と次のステージへの課題を考える必要があると思います。
 第3に,各集落で共通する困難とは何かを整理します。「次世代の確保」,さらに具体的には「孫世代」の確保は,どの集落にとっても10年以内に大きな悩みとなります。いや,すでに孫世代の人数を見れば,どの集落も危機的な状況にあることは自覚されているはずです。

 以上の3つの論点を整理しながら,一緒に取り組むことができる政策実践は何かを探らねばなりません。

 観音寺では,都市へ移住した家族,親族から故郷に関心を抱いてくれる人を招いての「懇談会」を提案しています。これは「孫世代」の啓発とUターン促進のための呼びかけにつなげる方向で準備してはどうかと思います。
 同じ試みを他の集落でも実施するかどうかはまだわかりません。
 また,岩座神の「棚田オーナー制度」,山寄上の工場誘致,観音寺の菜種油,コシヒカリの事業などの継続性と発展の可能性についても意見を交換することを考えています。それぞれの思惑は異なっていますが,内実について意見を交換すれば,村おこし事業の課題も見えてくるのではないかと考えています。

 そして,参加者には,一緒に連携できることは何かを考えていただくこと,他の集落にも呼びかけて協力すべきことは何かを議論できればと考えています。たとえば「消防団」の現在の制度はいつまで継続できるのでしょうか。これはたいへん大事な問題です。
 

 以上,雑駁ではありますが,これからの調査研究と政策提言についての方向性を書いてみました。
 ぜひご意見をお寄せください。
 

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