2011年5月8日日曜日

アウシュビッツ,ビルケナウ収容所

 5月1日(日)午前8時,ボクニア駅のすぐそばにある,ホテルミレニアムにバーテック君とその弟のマテウス君が自動車で迎えに来てくれました。クラクフ観光の後に高速道路でアウシュビッツ,ビルケナウ収容所へ向かいました。
 およそ1時間半のドライブで現地に到着しました。私たちは雨に打たれて寒さを堪えつつ,2つの収容所を見学しました。


ビルケナウ収容所の入り口です。すでに見学者が多数集まっています。その多くがユダヤ人であり,ロシア人,中国人,ドイツ人もいます。バーテック君は「ユダヤ人とドイツ人が一緒にここにいることに奇妙な感覚を覚える」と言っていました。
 1つの建屋に200人が収容された,気温は冬場にはマイナス15度,多くの人が凍死したり,餓死したとのことです。まったくひどい環境,人間として扱われていなかったことが一目でわかります。

 アウシュビッツ収容所の入り口です。レンガ造りの立派な建物に見えますが,ここにはポーランド人,ロシア人捕虜も多数収容されていました。

 最初のガス室です。ロウソクが灯されています。
銃殺の壁です。

 なぜこうした残虐行為ができたのか,だれも止められなかったのか。
 バーテック君兄弟はアウシュビッツには入りませんでした。後で,もしポーランド人がユダヤ人を1人かくまったら,それが見つかった家族全員が子どもから女性までがここでガス室に入れられるか,銃殺されたといいます。ある男がひとりのドイツ人兵士を殺した。するとその村の200人が銃殺された,それがあの時代だったのです,と言いました。
 近代という時代は,資本主義と社会主義に分かれている。でも,自由主義は何かのきっかけで即座に集団主義に転化し,ナチスを生み出してしまう。今も,その危険がある…,近代合理主義の危険性がここにあるのではないか,そうした議論を交わしながらアウシュビッツ,ビルケナウ収容所を後にしました。

1 件のコメント:

  1. こんにちは。「若者」の、「ちくわ」と呼ばれていた男です。
    試しに投稿しております。さすが、雪卿さん、並みの観光旅行ではないですねー。アッ、観光旅行じゃなかったか!
    コチラは、ヨーロッパ気分を味わわせてもらっております。
    では。

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